※本記事は2026年8月1日時点の報道・政府発表にもとづく情報です。
※制度は今後変わる可能性があります。最新は必ず公式発表でご確認ください。
「食料品の消費税、1%になるらしいよ」
ここ数日、SNSでこの話をよく見かけるようになりました。「もう決まった」「来年の4月から」という書き方をしている投稿もあります。
気になって、報道と政府の発表を一つずつ確認してみました。結論から言うと、方向性はほぼその通りです。ただし「決定」ではありません。
今わかっていることを、先にまとめます。
- 2026年7月30日、高市首相が「2027年4月から2年間、食料品の消費税を1%にする」と表明しました
- ただし法律はまだ成立していません。閣議決定はこれから、法案は秋の臨時国会に提出される見通しです
- 外食と酒類は10%のままです。ここは変わりません
- そして——「8%から1%だから7%安くなる」は、正確ではありません
最後の点が、この記事でいちばん伝えたいところです。実際に下がるのは、私たちが払う金額でみると約6.5%です。この差が、月の食費によっては年間5,000円以上のズレになります。
この記事では、今どこまで決まっているのかと、自分の食費だと年間いくら変わるのかを、報道と総務省の統計をもとに計算しました。数字はすべて計算式を載せているので、ご自身の食費で確かめられます。
ニュースを読んで「で、うちはいくら?」が知りたかったので、自分で計算してみました。やってみたら、思っていたより少なかったです。
何が起きたのか|2026年7月30日の首相表明
まず、事実関係を時系列で整理します。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2026年6月ごろ | 「2027年4月から食料品の消費税を1%に」という案が報じられ始める |
| 2026年7月下旬 | 与党内で議論。国民会議では意見がまとまらず |
| 2026年7月30日 | 高市首相が方針を表明。自民党に法改正の手続きを指示 |
| 2026年7月31日 | 自民党の会合で「財源を示すべき」という異論が相次ぐ |
| 2026年8月上旬(予定) | 政府が方針を閣議決定する見通し |
| 秋の臨時国会(予定) | 関連法案を提出 |
| 2027年4月1日(案) | 実施開始 |
報道によると、首相はこの措置について「私が2年で確実に戻す」と述べたとされています。2年で終わる前提の措置だという点は、後ほど詳しく書きます。
「もう決定した」は本当?現時点での正確な状況
SNSでは「決定」「確定」という言葉をよく見ますが、2026年8月1日時点で、法律は成立していません。
制度が実際に始まるまでには、まだいくつかの段階があります。
| 段階 | 状況 |
|---|---|
| 首相の方針表明 | ✅ 済んでいる(7月30日) |
| 閣議決定 | ⏳ 8月上旬に予定(この記事の執筆時点ではまだ) |
| 法案の国会提出 | ⏳ 秋の臨時国会の見通し |
| 国会で可決・成立 | ⏳ まだ |
| 実施 | ⏳ 2027年4月1日(案) |
つまり「政府・与党が方針を固めて、首相が表明した」段階です。今後の国会審議しだいで、内容が変わる可能性はゼロではありません。
党内では財源をめぐって異論も出ています
報道によると、首相は財源について「赤字国債に頼らない」と述べたものの、具体策は明示されなかったとされています。翌31日の自民党の会合では、「財源の手当ても公約のはず」といった意見が相次いだと報じられました。
ここは今後の焦点になりそうです。財源の議論しだいで、開始時期や期間が動く可能性は考えておいたほうがいいと思います。
「決まった」と「決まりそう」は違います。家計の予定を立てるなら、成立してからで十分だと思います。
何が1%になる?対象と対象外の一覧
ここがいちばん誤解されやすいところです。今の軽減税率(8%)の枠組みをそのまま使うので、「今8%のものが1%になる」と考えるとわかりやすいです。
| 買うもの・場所 | 今 | 2027年4月〜(案) |
|---|---|---|
| スーパーの食料品 | 8% | 1% |
| コンビニの食料品(持ち帰り) | 8% | 1% |
| テイクアウト・持ち帰り | 8% | 1% |
| 宅配・出前 | 8% | 1% |
| お弁当・惣菜(持ち帰り) | 8% | 1% |
| 店内で食べる(外食) | 10% | 10%のまま |
| 酒類 | 10% | 10%のまま |
| ケータリング | 10% | 10%のまま |
| 食料品以外(日用品など) | 10% | 10%のまま |
判断のしかたは今と同じです。「持ち帰るなら安い、その場で食べるなら高い」という現在のルールが、そのまま引き継がれます。
外食が10%のままなのはなぜ?
今回の措置は軽減税率の税率を下げるものであって、対象範囲を広げるものではありません。外食はもともと軽減税率の対象外(10%)なので、そこは動かない、という整理です。
結果として、同じハンバーガーでも、持ち帰れば1%、店内で食べれば10%という差が、今よりさらに大きくなります。今は8%と10%で2ポイント差ですが、1%と10%になると9ポイント差です。
| 今の差 | 2027年4月〜(案) | |
|---|---|---|
| 持ち帰り | 8% | 1% |
| 店内飲食 | 10% | 10% |
| 差 | 2ポイント | 9ポイント |
税抜1,000円のランチなら、持ち帰りと店内で90円ほどの差が出る計算です。飲食店にとっては小さくない話で、この点は後の章で触れます。
なぜ0%ではなく1%なのか
「どうせ下げるなら0%にすればいいのに」と思うところですが、報道されている理由はレジやシステムの改修にかかる時間です。
| 税率 | システム改修にかかる期間(報道ベース) |
|---|---|
| 1% | 3〜6か月 |
| 0% | 約1年 |
0%にすると、「税率がある」前提で作られているレジや会計システムの作り自体を変える必要が出てくるため、時間がかかるとされています。1%なら「税率の数字を変えるだけ」で済むため、2027年4月に間に合う、という判断です。
なお、公約は「食料品の消費税0%」でした。1%案はそこから後退した形になるため、中低所得世帯への給付を組み合わせて「実質ゼロ」にするという案も議論されています。ただし、この給付の詳細も現時点では固まっていません。


【検算】「7%安くなる」は正確ではありません
ここからが本題です。
多くの記事が「8%から1%へ、7%の引き下げ」と書いています。数字としては合っているのですが、これをそのまま「支払額が7%減る」と読むと、金額を多く見積もることになります。
なぜズレるのか
私たちが実際に払うのは税込価格です。税抜100円の食品で考えてみます。
| 税抜 | 税率 | 払う金額(税込) | |
|---|---|---|---|
| 今 | 100円 | 8% | 108円 |
| 2027年4月〜(案) | 100円 | 1% | 101円 |
| 差 | — | — | 7円 |
安くなるのは7円です。ただしもともと払っていたのは108円なので、
7円 ÷ 108円 = 約6.48%
つまり実際に軽くなるのは、支払額のうち約6.5%です。7%ではありません。
月の食費別|年間でいくら変わるか
この6.48%で計算したのが下の表です。入力する金額は「外食を除いた食料品費」にしてください。外食は10%のままなので、含めると多く出てしまいます。
| 月の食料品費(税込) | 月あたり | 年間の軽減額 | 単純に7%で計算した場合 | ズレ |
|---|---|---|---|---|
| 3万円 | 約1,944円 | 約23,300円 | 25,200円 | 1,900円 |
| 5万円 | 約3,241円 | 約38,900円 | 42,000円 | 3,100円 |
| 8万円 | 約5,185円 | 約62,200円 | 67,200円 | 5,000円 |
| 10万円 | 約6,481円 | 約77,800円 | 84,000円 | 6,200円 |
食費が多い家庭ほど、ズレも大きくなります。月10万円なら、年間で6,000円以上の差です。
計算式(自分の食費で確かめられます)
ご自身の数字で計算したい場合は、これだけです。
🧮 年間の軽減額の出し方
月の食料品費(外食を除く・税込)
× 0.0648
× 12か月
たとえば月4万5千円なら、45,000 × 0.0648 × 12 = 約35,000円です。
読売新聞の試算では、3人世帯・年収帯別で年間4万6,335円〜6万5,308円の軽減になるとされています(世帯によって食費の実額は違うので単純比較はできませんが、考え方はこの記事の式と同じです)。ご自身の食費でも、上の式で確かめてみてください。
参考:総務省の家計調査だといくらか
「うちの食費っていくらだっけ」という方のために、総務省の家計調査(2025年平均)の数字も載せておきます。
| 世帯 | 1か月の食料費(外食を含む) |
|---|---|
| 単身世帯 | 約44,700円 |
| 2人世帯 | 約79,300円 |
| 4人世帯 | 約103,400円 |
🚨 この数字をそのまま使わないでください
家計調査の「食料」には外食が含まれています。外食は10%のままなので、この金額をそのまま計算式に入れると軽減額を多く見積もることになります。
正確に知りたいなら、レシートやカード明細で「スーパー・コンビニで買った食料品」だけを合計するのがいちばん確実です。
それでも、値札はその分下がらないかもしれません
計算上は約6.5%軽くなります。ただし「実際に安くなったと感じるか」は別の話です。理由は2つあります。
理由①:物価が上がり続けている
食品の値上げは今も続いています。減税で6.5%軽くなっても、その間に食品の価格自体が上がれば、差し引きで実感は小さくなります。
報道でも、「相次ぐ値上げで、減税のお得感は1か月で相殺される」という専門家の指摘が紹介されていました。
理由②:価格転嫁がどこまで進むかわからない
消費税が下がったぶん、お店がそのまま値札に反映するとは限りません。仕入れコストや人件費の上昇を吸収するために、税抜価格のほうを上げるという選択もありえます。
これは制度の問題というより、各店舗の判断です。実際にどうなるかは、始まってみないとわかりません。
見落としやすい点:2年後に8%へ戻ります
これは意外と語られていないので、はっきり書いておきます。
この措置は2027年4月から2029年3月までの2年間限定です。報道によると、期間が終われば税率は現行の8%に戻るとされています。首相も「私が2年で確実に戻す」と述べたと報じられました。
| 期間 | 食料品の税率 |
|---|---|
| 〜2027年3月 | 8% |
| 2027年4月〜2029年3月 | 1% |
| 2029年4月〜 | 8%に戻る(予定) |
そして2029年度からは、「給付付き税額控除」という別のしくみに移行する構想が示されています。これは所得に応じて現金を給付する制度ですが、こちらも詳細はまだ決まっていません。
つまり「これから食料品はずっと1%になる」という話ではありません。2年間の期間限定措置として設計されています。
ここ、意外と書かれていません。2年後に戻る前提なので、「これからずっと安くなる」と思って家計の計画を立てると、あとでズレます。
飲食店・スーパー側はどうなる?
買う側だけでなく、売る側にも影響があります。
レジ・会計システムの改修が必要
税率が変わるので、レジや受発注システム、会計ソフトの設定変更が必要になります。前述のとおり3〜6か月が見込まれており、事業者向けの補助金も検討されているようです。
飲食店は「持ち帰りとの差」が広がる
先ほど書いたとおり、店内飲食10%と持ち帰り1%で9ポイントの差がつきます。同じ商品でも会計が変わるため、持ち帰りを選ぶ人が増える可能性があります。
外食産業への影響を懸念する報道も出ていて、飲食店向けの支援策も議論されています。ここも今後の続報を待つところです。
家計管理の視点で、今できること
制度が動くのは早くても2027年4月です。今すぐ家計が変わるわけではありません。そのうえで、待っている間にできることを3つ挙げます。
① 自分の「食料品費」を把握しておく
この記事の計算式を使うには、外食を除いた食料品費がわかっている必要があります。家計簿アプリやカード明細で、スーパー・コンビニの支出を把握しておくと、制度が始まったときに効果を確かめられます。
② 減税より、還元のほうが早くて大きいこともある
これは冷静に比べたほうがいい部分です。
| 軽くなる割合 | いつから | |
|---|---|---|
| 食料品の消費税1%案 | 約6.5% | 早くても2027年4月(未確定) |
| クレジットカードのポイント還元 | カードによる | 今日から |
たとえば対象のコンビニや飲食店でタッチ決済を使うと、還元率が数%になるカードもあります。まだ決まっていない減税を待つより、今日から使える還元を確認するほうが確実です。
③ ふるさと納税で食料品を受け取るという選択肢
食費そのものを減らす方法として、ふるさと納税の返礼品でお米やお肉を受け取るという考え方もあります。こちらは制度としてすでに確立していて、今年から使えます。
よくある質問
まとめ:方向は決まりつつある。でも「決定」はこれから
今わかっていることを、3つに絞ります。
- 2026年7月30日に首相が方針を表明しました。ただし法律はまだ成立していません。閣議決定と国会審議はこれからです
- 外食と酒類は10%のままです。安くなるのは、今8%のもの(スーパー・コンビニ・テイクアウト・宅配)だけです
- 「7%安くなる」ではなく、実際は約6.5%です。月5万円の食料品費で、年間約38,900円が目安になります
SNSで見かける「決定した」という情報は、正確には「決定に向かっている」というのが今の状況です。方向性としては大きく外れていませんが、財源の議論が残っていて、内容が動く可能性はまだあります。
家計の予定に組み込むなら、法律が成立してからで十分間に合います。今できるのは、自分の食料品費を把握しておくことと、すでに使える制度を確認しておくことだと思います。
この記事は制度が動くたびに追記していきます。閣議決定・法案提出・成立のタイミングで、下の更新履歴に残していく予定です😉
更新履歴
| 日付 | 更新内容 |
|---|---|
| 2026年8月1日 | 初回公開(7月30日の首相表明を受けて) |
今後、閣議決定・法案の国会提出・可決成立のタイミングで内容を更新します。制度の詳細が変わった場合も、この欄に記録していきます。
出典
本記事は、2026年8月1日時点で確認できた以下の報道・公的統計をもとに作成しています。
- 日本経済新聞「食品消費税、27年4月から1% 高市首相『私が2年で確実に戻す』」(2026年7月)
- 日本経済新聞「食品消費税の来春1%、高市首相が30日表明 国民会議はまとまらず」(2026年7月)
- 日本経済新聞「自民、食品消費税1%『財源の手当も公約のはず』 首相判断に異論噴出」(2026年7月)
- 朝日新聞「食料品の消費税1%、政府・与党方針固める」(2026年7月)
- 時事通信「食品消費税、来年4月1%検討 公約『ゼロ』との整合見極め」(2026年6月)
- 総務省「家計調査報告(家計収支編)2025年平均」
- 国税庁「消費税の軽減税率制度」
※本記事の内容は2026年8月1日時点の情報です。制度は正式決定前であり、今後内容が変わる可能性があります。
※税額の試算は、記事内に示した計算式にもとづく概算です。実際の負担額は購入内容や価格改定により異なります。
※れおは税理士ではありません。個別の税務判断については、国税庁のサイトを確認するか、お近くの税務署・税理士にご相談ください。



















